「えっ、えっ、えっ、え~」で最高得点。三原舞依が見せたシンデレラ魂 (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha  能登直●写真 photo by Noto Sunao

 幼い頃から憧れてきた浅田真央が引退を発表したが、三原の今季の活躍は、「ポスト浅田」の後継者候補として堂々と名乗りを上げるものとなった。三原が滑り終わったキスアンドクライでは、「まおちゃん ありがとう」の寄せ書きが掲げられ、一時代を築いた浅田真央へのメッセージが出場選手全員から寄せられた。

「最後のキスクラで真央ちゃんへのメッセージがあげられることは知らなかったんですけど、私がノーミスした演技後にあげてもらってうれしいです」

 彼女の「最高の演技」を、競技会から引退する浅田に贈ることができた喜びを感じていたようだ。

 一昨年12月に発症した若年性特発性関節炎という病気と付き合いながら、競技を続ける不屈の精神の持ち主は、スケートができる喜びをパワーに変えて戦っている。まだ17歳の三原にとっては過酷な環境であることは間違いないが、そんなことはおくびにも出さない。今季は怖いもの知らずの挑戦者として戦い、最後にはついにトップスケーターの仲間入りを果たした。

「昨日(21日)、たまたま地上波で『シンデレラ』をやっているのを見て、シンデレラの心の強さを改めて感じることができ、その曲を使わせてもらっている以上、シンデレラの強い心を自分で演じきらないと、という思いがあった。すてきな音楽に乗って滑れる幸せを噛みしめて今日は滑りました。

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