羽生結弦が手応えをつかんだ来季の武器は4回転5本か、それとも... (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 その時、羽生はすでに、後半最後の3回転ルッツを、トリプルアクセルに変更すると決めていた。

「パンク直後のスピンをやっている最中に、4回転を6本にしようかな、とも思いましたが、それだとプログラムがバラバラになってしまうのでとりあえずアクセルを頑張ろうと思いました」と笑う。

「とにかく世界選手権なみのクオリティーのフリーをやろうと思っていましたけど、挑戦するという意味で自分に課していた課題は、後半の4回転サルコウを絶対に跳ぶことと、4回転トーループを2本決めることでした。だから、前半のジャンプはきれいに跳ぼうという意識はありましたし、スピンでビールマンをしていません。ステップも感情を込めていましたが、コントロールはしていました。ある意味、こういう表現のこういうステップもありなのかな、と自分では思っています」

 SP5位の悔しさをぶつけた世界選手権フリーでは、集中力が高まり「偶然入れた」という心境。今度はそれを意識的にコントロールして再現してみようと考えたのだ。

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