羽生結弦、国別SPでまさかの7位も、「日本チーム」は勝ちにいける (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 4回転ループのミスの直後、頭の中に浮かんだのは「ループが0点になり、かなりの点数が失われている」ということだった。そう考えながら次の4回転サルコウをしっかり跳ぼうと思い、試合で跳ぶときに「注意しなければいけないことを意識し過ぎて」しまった。それとともに、これまでの試合で「自分があまり跳べていないジャンプ」というイメージも重なったという。そんな気持ちの乱れが影響し、着氷が乱れて手をついてしまい、予定していた連続ジャンプにできなかった。

 その後の演技は完璧にこなした。特にステップは今シーズンこれまで以上に、このプログラムへの思いが全身から横溢(おういつ)するような滑りだった。だが、大きな得点源である2本のジャンプを失敗したために得点は83.51点にとどまり、順位も7位という予想外の結果となった。

 それでも、日本チームはいい流れに乗って戦っていたこともあり、順位点の合計点で争うチーム順位はロシアと同じ44点で1位という滑り出し。

 そんないい流れのキッカケを作ったのは、世界選手権でフリーに進めない悔しさを味わったアイスダンスの村元哉中(むらもと かな)/クリス・リードだった。5位ながらもショートダンスで5要素中3要素をレベル4にし、自己ベストを2.77点更新する63.77点を獲得してチームを勢いづけたのだ。

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