日本は追いつけるか。フィギュアの絶対女王メドベデワの強さを分析する (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 その項目で2番目に高い得点は、ケイトリン・オズモンド(カナダ)の8.93点、3番目はカロリーナ・コストナー(イタリア)の8.82点。メドベデワは身長157cmで体つきは細身であるにも関わらず、165 cmのオズモンドや169 cmのコストナーら、伸びのある滑りが武器の選手たちに負けていない。

 さらに、ただひとり9点台に乗せて9.25点を獲得していたトランジション(つなぎ)も含め、男子のトップクラスと同程度の評価を受けている。その点でも、まさに突出した存在といえる。

 そんなスケーティングの基礎があるからこそ、ジャンプも安定している。唯一、ルッツだけはやや苦手にしているようで、フリーに入れている3回転ルッツは、世界選手権以外の5試合で、エッジがクリアーでないと判定されていた。だが、GOE(出来栄え点)を減点されているのは転倒したフランス杯のマイナス2.10点だけで、他は0.60と0.70点の加点。対策はしっかりできている。

 また、公式練習で時々フリップやサルコウからの3回転3連続ジャンプや4連続ジャンプをやっているように、自身のジャンプ技術を磨こうとする意識も高い。また、今季は同じジャンプを連続ジャンプの中で3回以上跳んだ場合、そのジャンプがカウントされないだけで、連続ジャンプ自体は0点にならないルールになったこともあり、ロシア選手権では3つ目の3回転サルコウからの連続ジャンプに3回転トーループを2回つけ、ヨーロッパ選手権では最後のダブルアクセルに3回転トーループを付けて4つ目の連続ジャンプにするなど、遊び心も持って演技をしている。

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