つながる金メダリストの系譜。荒川静香と羽生結弦が語る「五輪の記憶」 (4ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 能登直/仙台市●撮影 photo by Noto Sunao

 そうエールを送る一方で、スケートを始めた当初から羽生の成長を見守ってきた荒川は「一生懸命すぎるとやりすぎてしまうところがあるので、無理だけはしないで、笑顔で五輪の舞台に立ってほしい」とつけ加えた。昨年の世界選手権後、左足靭帯損傷のケガの療養とリハビリに2カ月を費やした羽生も、「身に染みる言葉です。ケガ・病気をしないことが一番効率よく実力を上げるために必要だと、本当に今シーズンに感じました」とその重要さを噛みしめていた。

 来シーズンには、2度目の五輪の舞台に挑む羽生。連覇の期待もかかるが、本人は「ソチの時のほうが『集大成』という気持ちが強かった」と明かす。それは、常に全力で戦ってきたゆえの心境の変化だった。

「4年前のこの時期は、『オリンピックはどんなところなんだろう』とワクワクしていました。今もワクワクはしていて、オリンピックが特別な大会であることに変わりはありませんが、試合を重ねるたびに『オリンピックだけが僕の集大成ではない』と感じるようになってきたんです。次の国別対抗戦も、今の自分の『スケート人生の集大成』という気持ちで臨みます。時間はあまりないですが、しっかり練習していい演技をしたいと思います」

 荒川に勇気をもらい、世界のトップで活躍を続ける羽生。その姿が、あとに続く若いスケーターたちの道しるべとなるはずだ。

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