羽生結弦の最強ライバルに。17歳ネイサン・チェンが驚速で成長中! (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 好調を維持して臨んだ2月の四大陸選手権フリーでは、4種類5本の4回転を着氷し、2本入れたトリプルアクセルでミスをしながらも、204・34点を記録。SP1位のリードを守って羽生の追撃をしのぎ、初タイトルを獲得する。

 続く世界選手権では、少し調子を落としたのかSP6位、フリー4位で合計も6位にとどまった。それでも、フリーでは前半4本の4回転にフリップを2本入れ、後半には4回転サルコウに続いて4回転トーループを入れる「4回転6本」のプログラムに挑戦。さらなるレベルアップを模索する姿を見せた。

 そんなチェンの強さはジャンプだけではなく、5歳からやっていたクラシックバレエの素養を生かした表現面にもある。今季からはスケーティングスキルや表現の強化のために、アイスダンスのコーチでもあるマリナ・ズエワコーチにも指導を受けている。4回転ルッツ+3回転トーループと4回転フリップは四大陸のフリーでGOE2・43点をもらっていたように完成度が高いが、それはスケーティングの基礎がしっかりしていればこそ。

 現時点でのフリーの自己最高は四大陸の204・36点だが、このときの技術基礎点は106・48点。これはトリプルアクセルからの3連続ジャンプを2連続に変更しての点数で、予定通りのトリプルアクセル+1回転ループ+3回転フリップを成功していれば、4・95点を加算して111・43点になっていた。

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