羽生結弦の最強ライバルに。17歳ネイサン・チェンが驚速で成長中! (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 それでも、そのケガをキッカケに4回転を5本跳ぶためのフィジカル強化に取り組み、それが今シーズンの飛躍の基礎になったといえる。チェンは、4回転フリップと4回転ルッツも習得すると、16年11月のフランス杯ショートプログラム(SP)では4回転ルッツ+3回転トーループをISU公認の大会で初めて成功させた。

猛スピードで成長を続けている17歳のネイサン・チェン猛スピードで成長を続けている17歳のネイサン・チェン そして続くNHK杯では、SPの4回転ルッツで転倒しながらも4回転フリップに3回転トーループをつける連続ジャンプに変更してリカバリーすると、フリーでは4回転トーループ2本を含めた3種類4本の4回転を跳び、総合で羽生に次ぐ2位になった。

 さらに、初進出を果たしたグランプリ(GP)ファイナルのフリーでは4回転4本を入れるプログラムをノーミスで滑り、197・55点を獲得。後半でミスを連発してしまった羽生や、ノーミスの演技をした宇野を抑えてフリー1位になり、SP5位から総合順位を2位に上げて世界トップの仲間入りを果たした。

 チェンの急激な進化はまだ止まらなかった。1月の全米選手権では4回転ルッツと4回転フリップを入れたSPをノーミスで滑って106・39点を獲得すると、フリーでは後半の3回転フリップ+3回転トーループでわずかなミスをしたものの、前半の3種類4本の4回転でGOE(出来ばえ点)加点をもらい、後半には4回転サルコウを入れてGOE加点は1・14点。ISU非公式ながらも合計318・47点という高得点を獲得した。

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