ジャンプは美しく跳ぶ。羽生結弦の強さを支える「出来栄え点」の威力 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 世界選手権フリーのジャンプの加点は、最初の4回転ループでSPと同じ2.43点をもらい、次の4回転サルコウは2.71点。後半の4回転サルコウ+3回転トーループと4回転トーループは2.43点で、得意なトリプルアクセルからの連続ジャンプは2.00点と2.14点。2.1点の加点が最高の3回転ジャンプ2本も共に1.50点と、ジャンプだけで17.14点の加点(ステップなどを含めた合計は22.69点)を稼いだが、GOEで満点評価のジャンプはひとつもなかった。

 一方で、2015年のGPファイナルの場合は、4回転がサルコウ1本とトーループ2本の構成で、技術基礎点は現在より8.24点低かったものの、最初の4回転サルコウと4回転ループ、後半のトリプルアクセル+2回転トーループで満点。ジャンプのGOE加点で今回の世界選手権より3.04点高い20.18点を獲得している。

 演技構成点(スケーティング技術や曲の理解度など5項目)に関しても、2015年GPファイナルのほうが1.48点多かった。ただ、今のプログラムは構成が難しい分だけ完成形を作り上げるのは難しいが、GPファイナルと同じような完璧な演技ができれば、単純計算で4.52点多い227.72点を出せることになる。

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