五輪出場枠「2」の厳しさが、
日本女子フィギュアをより強くする

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi 能登直●写真 photo by Noto Sunao

「ショートが終わってから『この舞台に立たせていただけたことがすごく幸せなことだ』と、あらためて考え直すことができたので......。あの失敗があったからこその緊張感も味わえたし、だからこその今日のフリーかな、と思うことができたのが一番の収穫だと思います」

 SPのミスがなければ、この大舞台で200点を超えることができたという無念さもあったし、もったいないと感じる結果でもあった。だが、それを自分自身の経験として、これからずっと心の中に残して滑っていけることも、幸せなのだと思えると三原は言う。

 整氷後に始まった次の第3グループは、韓国のチェ・ダビンが、地元開催の平昌五輪へ向けて10位以内に入り、出場枠2を確保しようとする執念を見せたノーミスの演技で始まった。

 だが、続いて登場した本郷理華は、出場が決まったのが1週間前という厳しい状況の中で調子を上げきれず、ジャンプのミスを連発して16位にまで順位を落とす結果になった。

 その後もエリザベート・ツルシンバエワ(カザフスタン)、ベテランのアシュリー・ワグナー(アメリカ)やカロリーナ・コストナー(イタリア)らが、細かなミスを出して得点を伸ばせず、順位で三原を下回る。「もしかしたら......」という期待が膨らんだ。

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