平昌五輪3枠が風前の灯。苦境の日本女子勢はフリーで巻き返せるか (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 三原とは対照的に、そこからは各国のエースたちによるノーミス演技が続く。第6グループ1番滑走のケイトリン・オズモンド(カナダ)がメリハリのある滑りで75.98点を出すと、今季の全米選手権覇者のカレン・チェンは、四大陸選手権12位という結果がウソだったような見事な演技で69.98点を獲得。そして、最終グループでは世界選手権連覇を狙うエフゲニア・メドベデワ(ロシア)が、まったくスキを見せない演技で79.01点を獲得してトップに立った。

 その後も、ガブリエル・デールマン(カナダ)が72・13点を獲得し、アシュリー・ワグナー(アメリカ)は自信に満ちた演技で69・04点、マリア・ソツコワ(ロシア)も丁寧な滑りで69・76点を出すなど、ハイレベルの戦いを繰り広げる。

 その最終グループの5番手として滑走した本郷理華は、四大陸選手権に続いて宮原の欠場による繰り上がり出場。「元々この試合に出られる予定ではなかったので、出られるだけでもいい経験になるし嬉しいこと。この機会をしっかり活かそう思いました」と、62.55点を獲得して納得の表情を見せたものの、順位は12位にとどまった。
 
 最終滑走者のアンナ・ポゴリラヤ(ロシア)もほぼノーミスの演技で71.52点を獲得し、SPの順位は樋口が9位で本郷は12位、三原は15位と厳しい結果になった。

 平昌五輪の3つの出場枠を獲得するためには、上位2名の順位数が合わせて「13」以内でなければならない。3枠どころか、2枠条件の「14~28」さえも気になる極めて難しい状況ではあるが、9位と踏ん張った樋口、そして三原と本郷がフリーで粘りの滑りを見せられれば、巻き返しの可能性は十分にある。五輪の出場枠だけでなく、彼女たちの未来を照らすような演技に期待したい。

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