浅田真央の師、佐藤信夫コーチが語る「ものすごいスピン」とは? (5ページ目)

  • 辛仁夏●構成 text by Synn Yinha  岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

 スヌーピーの漫画を描いたチャールズ・M・シュルツさんはスケートが大好きで、カリフォルニアのサンタローザに自分のスケートリンクを持っているほどです。そのシュルツさんの絵に、スケートをしているスヌーピーの周りに横線を引いてあるものがあります。誰が見ても「スピンを回っている」と思う絵です。速く回っているように見せた絵などは、本当にかげろうが立ち上がっていくみたいに見えるんです。アスラーさんのスピンはそれぐらいすごかった。

 95年のバーミンガムでの世界選手権の当時、僕はスイス代表のルシンダ・ルーという選手を教えていたのですが、彼女もスピンが上手でした。パリのアイスリンクに行った時に、そのアスラーさんに電話をしたら来てくれたんです。そしてルシンダ・ルーのスピンを見て「あんなスピン、見たことない」と言うから、僕が「何を言ってるの、あなたはあの倍ぐらい速かったじゃない」と言いました。「そんなことない」と謙遜していましたけど、それぐらい速かった。彼女もやはりある時間を超えて練習をしたことで上手くなり、それと同時にスピンに対して何か特殊な感性を持っていたんでしょうね。

 スピンはその回転数や回転スピードを問われる技でもあります。例えば僕が得意にしているシットスピンは、どうやったら長く回れると思いますか? 

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