浅田真央の師、佐藤信夫コーチが語る「ものすごいスピン」とは? (3ページ目)

  • 辛仁夏●構成 text by Synn Yinha  岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

 続いてキャメルスピンですが、キャメルも形が重要です。まっすぐ立った1本の足の上に水平に体がある。その「T」の字が基本の形です。重要なのは、頭の高さと足の高さが一緒であれば、まずバランスは取れるということです。そうすると、どんなに回転がゆっくりでもちゃんと立っていられます。

 近年、スピンはバリエーションが増えて、ユニークな形のスピンが登場しています。キャメル系でいえば、ドーナツスピンなどがそうです。選手たちが個性を出そうとした結果です。それぞれの選手がいろいろアイデアを出して、「あ、そのスピンは面白いね」「おお、あんなスピンもできるんだ」となります。他の選手がやっていないことをやる傾向にありますから、「あの人は右手を上げていたから私は左手にしてみよう」「あの人はまっすぐだったから、私は曲げてみよう」となるわけです。そうすると、誰が最初にやった本家なのかなんて、もう分からなくなっちゃいますね。

 3つ目のアップライト系、中でもレイバックスピンについてお話ししましょう。レイバックとは、首だけ後ろに倒すのではなく、体を後方に倒れるほど反ることをいいます。見た目は非常につらそうに見えますが、そうでもありません。どんな形でもしっかり軸があれば、スピンはできるんです。

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