羽生結弦を追う新旧ライバルも充実。世界選手権は300点超バトルに (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 フリー後半の4回転サルコウの失敗が続いているが、羽生は「自分の中ではトーループよりサルコウのほうが成功する確率が高いと思っているし、きれいに決まった時の完成度はものすごく高いと自負しています。それをしっかり試合で出せるように、心や体力面も含めた強さを求めていかなければいけないと思う」と自信を持っている。5試合を終えて徐々にプログラムに慣れてきており、四大陸を終えてからの準備期間も十分あることを考えれば、 世界選手権に向けて完成度をさらに高めてくることは間違いない。

 そんな羽生の最大のライバルとなるのは、ルッツとフリップ、サルコウ、トーループの4回転ジャンプを持つ17歳のチェンだ。 四大陸のフリーでは、技術点で羽生を3.15点上回りながらも、演技構成点の差で2位となった。だが、4回転ルッツ+3回転トーループと4回転フリップ、トリプルアクセルをしっかり決めたSPでは歴代3位の103.12点を獲得。 その貯金もあり、ISU公認大会で史上3人目の300点超え達成となる307.46点で逃げ切った。

 今年1月の全米選手権でも、フリーで4種類5回の4回転ジャンプを決めるなど318.47点で優勝している。その好調を維持する難しさはあるが、世界フィギュアでも300点台を出して優勝争いに絡んでくるだろう。

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