本田真凜は連覇ならずもパーフェクト。涙の向こうに「大きな目標」 (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 その演技が、残るふたりの選手にも火をつけた。

 ザギトワはフライングキャメルスピンとステップを余裕を持ってこなすと、得点が1.1倍になる後半で3回転ルッツ+3回転ループなど、ジャンプを次々に成功。こちらもノーミスの演技で自己最高の138.02点を獲得し、GPファイナルを1.17点上回る総合得点208.60点で首位に立った。

 そして、最終滑走の坂本も「他の選手は5つも6つも後半にジャンプを入れているから、2個しか入っていない私は不利だと思う。ただ跳ぶだけではなく、流れのある出来栄え点をもらうジャンプで勝負をしたい」と話していた通り、スピードのあるノーミス演技で総合得点を195・54点として、3位を確保した。

 中野園子コーチから「表彰台へ上がらなければ来年シニアへはいかせない」と言われていたという坂本は、「絶対にノーミスにする」「表彰台に上がる」という強い気持ちを見せた。前のふたりが高得点を出した後の最終滑走で、堂々と演技をした度胸のよさは、賞賛に値するものだろう。

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