本田真凜は連覇ならずもパーフェクト。涙の向こうに「大きな目標」 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 このふたりに続いたのは、スピードに乗ったノーミスの演技で67.78点を獲得した坂本香織。「僅差のノーミス競演」に緊迫感は高まり、翌日のフリーは白熱した戦いとなった。

 最終組4番滑走の本田は、前の3人に少しずつミスが出る嫌な流れの中でも緊張することはなかったという。

「(フリーが)始まる前に、先生から『今日は生放送だから(妹の)望結(みゆ)と紗来(さら)が観ているはず。しっかり憧れのお姉ちゃんと言ってもらえるような演技ができたらいいね』と言われました。テレビカメラがずっと近くにありましたけど、『ふたりとも観ているかな』 と思ったら全然緊張もしなくて、演技もあっという間に終わった感じです」

 SP同様に濱田美栄コーチの言葉でリラックスした本田は、伸びやかな滑り出しから最初の3回転ルッツと3回転フリップ+3回転トーループをしっかりと決め、SPでは取りこぼしたレイバックスピンもレベル4にして流れに乗った。さらに、ステップも柔らかでメリハリのある滑りでこなすと、後半のジャンプも次々と成功させ、最後のダブルアクセルからの3連続ジャンプを決めた瞬間には笑みも浮かんだ。

 結果は、ノーミスの演技でフリー自己最高の133.26点。総合得点でも201.61点と自身初の200点台に乗せ、会心の演技に本田は涙を流した。

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