本田真凜の「美へのこだわり」。世界ジュニアで再び頂点を目指す! (2ページ目)

 しかし、12月末の全日本選手権では、シニアの選手に交じって4位と大健闘。その全日本のショートプログラム(SP)後に流した涙は、彼女にかかる期待とプレッシャーが大きくなっていることの象徴だったように思います。それまで、本田選手の悔し涙は何度も見てきましたが、その時は、棄権直後の大会でミスなく演技ができた安堵の表情がすごく印象的でした。

 年が明けてからは、今年2月の全国中学スケート大会で優勝を果たすなど、コンディションを立て直してきている本田選手。この大会の優勝後のインタビューでは「全中は狙いにいってとれた」とコメントしていました。

 勝ちを意識した上で勝つことは、どんな一流アスリートにとっても難しいこと。実際、3位に終わった全日本ジュニアでは「勝ちにこだわりすぎてダメだった」と振り返っています。3ヵ月足らずでそれを乗り越えてつかんだ勝利は、大きな自信になったのではないでしょうか。

 本田選手の精神面の成長には、同じ濱田美栄コーチのもとで指導を受ける宮原知子選手の存在も影響しているのだと思います。宮原選手は「練習の鬼」と称されるほどの練習量。コツコツと積み重ねていくことが苦手と言われてきた本田選手は宮原選手から刺激をもらっていると思いますし、すばらしいお手本にもなっているはずです。

 濱田コーチも「最後までリカバリーし続けて、あきらめずに突き進む姿勢は、宮原選手から学んでいる部分もあると思う」と話していましたが、シニア大会で活躍する先輩がそばにいることは、本田選手の成長にとって最適の環境なのではないでしょうか。

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