若いふたりに先行された羽生結弦。
攻める気持ちは「得意のパターン」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「(4回転)サルコウが決まったらもっとノリノリでやったと思いますけど、ここの空気感として自分の中ではあの(演技の)ように感じていたので......。表現面では、今日は今日でよかったと思います。でも、ジャンプが決まらないと話にならないので、しっかり考えて修正点を見つけて、自信を持ってやれるようにしたいなと思います」

 それでも、4回転ループを試合で初めてクリーンに決めたことについては、「練習をしてきたからということにつきますね。6分間練習(のミス)を引きずったようなところはありましたが、しっかり練習してきたことを出せました」と納得の表情で話した。

 さらに、2回転になってしまった4回転サルコウについてはこう語る。

「ループを降りたあとは『とりあえず体は戻ってるな』という感覚があったので、すごく落ち着いてできました。サルコウに関しては少し考えすぎたかなというのはありましたけど、やろうとしたことはできています。そのやろうとしたことを、ちょっとずつアプローチを変えていけばいいと思っています。注意すべきことにちょっと固執し過ぎたかなという感じはありますけど、練習ではそこを意識してしっかり跳べています。今回は失敗しましたけど、実際には感覚のいい(ジャンプの)抜け方をしているので、あまり深く考えずに、自分の好きなように跳んでいければいいのかなと感じています」

 体が回復してからは練習時間も十分にあった。その中でいろいろなことを考えて試してきた。それをこの大会で成果として出してやろうという思いと、若手に追われる立場になっていることを実感することで、気持ちに若干のズレが出たのかもしれない。

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