若いふたりに先行された羽生結弦。攻める気持ちは「得意のパターン」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「直前にトリプルアクセルを入れなかったのは、それが今、(4回転)ループを安定するやり方という考えがあったのでそうしました。いろいろ練習をしてきたなかで考えたことですけど、ループをしっかり降りきれたので、それについてはよかったと思います」(羽生)

 だが、次の4回転サルコウ+3回転トーループは、昼の公式練習の曲かけで2回転+3回転になっていたように、ここでも2回転+3回転になってしまった。その後は、公式練習から見せていたクールさを前面に出す滑りでノーミスにまとめたが、フライングキャメルスピンとステップシークエンスはレベル3と判定されて、得点は97・04点にとどまった。

 次の宇野昌磨は「緊張することもなく、いつもの練習の『わりと体の動きがいい』というくらいで滑れて、ジャンプも今シーズン初めてまとめることができたので、すごくホッとした」と言うように、最初の4回転フリップの着氷が少し乱れただけの、ほぼノーミスの演技で100・28点を獲得。

 羽生は、若手ふたりに先行される3位発進になった。

 羽生が自分の持ち味でもあり武器でもあると話していた"荒々しさ"を抑え、冷静に"クールさ"を表現しようとしていたこの日のSP。それについて羽生はこう言う。

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