樋口新葉にチャンス。宮原なき四大陸フィギュアはフレッシュな顔ぶれ (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha  能登直●写真 photo by Noto Sunao

 16歳の樋口は、痛み止めを飲むほどの痛みを右足の甲に抱えていながら全日本に出場。強い気持ちで演技をやり通し、2年連続の表彰台に上って四大陸選手権、世界選手権の日本代表の座を掴んだ。この1年の急成長ぶりはめざましく、課題の表現力にも磨きがかかりつつある。スピードに乗った高さと幅のある得意のジャンプが決まり、安定してミスのない演技ができれば、優勝争いに加わってくるだろう。

 樋口は全日本の後、1月のアイスショーに出演した以外は、負傷した右足の治療に専念。代表になった四大陸選手権と世界選手権の2大会に照準を合わせてきた。大舞台に期するものがあるはずだ。

 三原にも表彰台に立つチャンスがある。シニアデビューとなった今季は、GPシリーズ第1戦のスケートアメリカで堂々の3位に入り、鮮やかな初陣を飾った。GP2戦目の中国杯では4位だったが、ここでもあと一歩で銅メダルを手にできるところだった。欠場する宮原のお株を奪うような「ミス・パーフェクト」ぶりを発揮すれば、表彰台の一角に立つ力は十分にある。

 全日本の後は年明けのアイスショーに出演、1月下旬からは2週連続で試合に出場している。全国高校総体ではショートプログラム(SP)2位から、フリーではノーミスの演技を見せ、高2で初優勝を遂げた。一方、長野で行なわれた国体の少年女子では、またもSPは2位発進ながら、フリーでは世界ジュニア代表の白岩優奈の後塵を拝して4位と沈み、総合3位に終わっている。

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