宮原知子と浅田真央。全日本で明暗を分けた新旧女王の今後はどうなる? (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha  能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 今回の勝利で宮原は、名実ともに日本女子のエースになったと言っても過言ではない。これまでエースと呼ばれた選手たちの中でも、全日本で3連覇を飾っているのは、1980年代以降では伊藤みどり、村主章枝、浅田真央の3人しかいない。その名選手たちの仲間入りを果たしたわけだが、当の本人はあくまでも謙虚な態度を崩さない。

「3連覇はしたかったですが、大会前は優勝など順位のことはあまり考えないようにして、自分の演技に集中することだけを考えて練習も本番もやっていました。SPはよかったですが、フリーは全体的にちょっと思い切りがなかったというか、スピードがなかったかなと自分では感じたので、もっと勢いよくいきたかったです。ファイナル以上の出来ができればガッツポーズをしたいと思っていましたが、できませんでした(苦笑)。今後は、自然とガッツポーズができるような演技をしたいです」

 全日本3連覇の偉業を成し遂げた宮原の視線の先には、平昌五輪金メダル獲得という大きな目標がある。その頂(いただき)に向けて着実に階段を上っていき、そろそろ女子フィギュア界を席巻するロシア勢に一矢を報いたいところだ。来年3月にフィンランドのヘルシンキで開催される世界選手権では、現世界女王のエフゲニア・メドベージェワら年下のロシア選手たちとどこまで対抗できるのか、注目される。

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