宮原知子と浅田真央。全日本で明暗を分けた
新旧女王の今後はどうなる?

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha  能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 3年前の初優勝の時は、報道陣に囲まれての囲み取材で、か細い声で自信なさげに受け答えをしていた宮原だったが、いまや、はっきりと聞き取れる声で自信にあふれたコメントを発している。その成長ぶりを見ると、宮原の人一倍の頑張りと努力に感心するしかない。

 今大会は、ノーミス演技をしたショートプログラム(SP)で出場選手中ただ1人70点台となる76.49点を出して首位発進。フリーでは、得点源となる3回転ルッツ+3回転トーループの2つ目のジャンプでステップアウトするミスを出し、課題の回転不足を後半の3回転ルッツで取られた。それでも、終始力強い演技を見せて138.38点の高得点を叩き出し、合計214.87点で3年連続3度目の完全制覇を成し遂げた。

「緊張があって力んでしまって、連続ジャンプのステップアウトは勢いが余ってしまった。その失敗よりも、その後の3回転フリップで回転不足にならないか不安がありましたが、何とか踏みとどまった感じです。全日本という大きな舞台でしっかり自分の演技がしたい気持ちが強かったので、もうちょっと気楽にいったらよかったかなと思います。特にステップシークエンスは強い振り付けで表現できているかなと思います」

2 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る