「悔しい」を連発の羽生結弦。
GPファイナル4連覇でも演技完成を急ぐ

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 羽生はこう言う。

「誰からも追随されない羽生結弦でありたいと思っているので、今シーズン難度の高い構成にしても、まだ昨シーズンの自己最高得点に並ばないというのは悔しいです。ただ、今シーズンはいい挑戦ができていると思います。今年の前半を振り返れば、ハッキリ言って最悪だったなと思いますし、メチャメチャ悔しい。今の技術構成を来シーズン完成させられればと考えていましたけど、今の悔しさ的には、もう今シーズンの後半には完成させたいと思うようになりました」

 4回転ループを入れて技術難度を上げただけではなく、今季のプログラムでは「観客とコネクトすること」も羽生は目標にしている。表現面も意識して演技をすることで、ジャンプに対する意識の比率に多少の影響があるはずだ。だからこそ、今の技術構成でプログラムを完成させるには時間がかかると考えていたのだろう。しかし、納得できない演技が続いたことで、そうした思いも吹き飛んでしまったようだ。

 そんな羽生の意地と覚悟がどう結実していくのか。期待を込めながら、焦らずにゆっくりと待ちたい。

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