「悔しい」を連発の羽生結弦。
GPファイナル4連覇でも演技完成を急ぐ

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「後半の4回転サルコウもNHK杯の公式練習でけっこうな確率で降りていましたけど、今回は公式練習でも失敗が目立っていたので、その確率の低さが試合に出てしまったのかなと思います。ただ、去年の序盤と違って、後半の4回転という意識はそんなにないので、その点ではまだサルコウに対する考えが甘いのかなというのはあります。

 今は4回転ループに対しても苦手意識や『新しいジャンプ』という意識もなくなっていますし、トーループやサルコウに関しては自信を持って跳べるジャンプなので、後半のジャンプとしてどのようにやっていくかをもうちょっと考えなければいけない。周りの意見も取り入れていきたいです」

優勝は羽生(中央)、2位はネイサン・チェン(左)、宇野は3位(右)だった。優勝は羽生(中央)、2位はネイサン・チェン(左)、宇野は3位(右)だった。 今シーズン、ケガの治療でスタートが遅れたことが今の成績に「関係ないし、ブランクはない」と羽生自身は言い切る。だが、ANAの城田憲子監督が「本当に追い込む練習ができるまで4カ月間空いたのは(調整への影響が)大きい。今はその分を徐々に詰めている段階」と言うように、その影響はやはりどこかにあるはずだ。

 それでも、ここから調子をまだまだ上げていけると考えれば、2018年の平昌五輪にピークを合わせるためのシミュレーションができているともいえる。

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