「悔しい」を連発の羽生結弦。GPファイナル4連覇でも演技完成を急ぐ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 それでも合計293・90点でその時点の1位となり、ハビエル・フェルナンデス(スペイン)とパトリック・チャン(カナダ)の演技を待つことになった。

 フェルナンデスは出だしから耐える演技になり、後半の4回転サルコウとトリプルアクセルでミスを連発して177・01点。羽生を7点弱の差で追っていたチャンも、最初の4回転トーループと次のトリプルアクセルで転倒。さらに後半のトリプルアクセルでも転倒と脆さを見せ、166・99点。この結果、羽生のGPファイナル4連覇が決まった。

「トータルで考えてショートはよかったですし、結果的に4連覇という目標を達成できたことはよかったです。でも、演技自体は満足しきれないです。やっぱりフリープログラム3位というのは非常に悔しい順位ですし、ショートと比較しても最後の最後(のジャンプ)に失敗したというのは印象も悪いと思います。今日は反省点だらけですけど、どうすれば跳べたかというのも分かっているので、そういうのも含めて、全日本まで時間は少ないですけど、頑張ってやっていきたい」

 練習では、SPもフリーもノーミスの演技を何回もしていて自信はある。だから、「どちらか片方だったらうまくいく自信はつけてきている」と羽生は言う。だが、両方をノーミスで揃えるとなると、まだうまくつなぎきれないもどかしさを感じているという。

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