「練習では跳べるのに...」宮原知子、
GPファイナルではメンタルに課題

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 ここ数年、ファイナルはロシア勢と日本勢、米国勢で覇権を争ってきたが、今季は特にロシア勢の活躍が目立つ結果となった。

 日本人でただひとりファイナル出場を決めた宮原だが、今季は苦しい戦いを強いられている。GP初戦のスケートカナダでは、以前からの課題だったジャンプの回転不足を厳しく取られたほか、エッジエラーの「eマーク」や「!マーク」をこれでもかとつけられ、さらにフリーではステップでレベルもつけてもらえない0点という衝撃のスコアを出される試練があった。

 2戦目のNHK杯でも、回転不足のジャンプがSP、フリー合わせて3つもあったうえ、フリーの3回転フリップでは「!マーク」がつけられた。SPでは、跳び急いだことで得意の3回転ルッツで珍しく転倒。一方フリーでは、回転不足にならないようにと考えすぎたことで、逆に力みすぎて回転不足を誘発してしまうミスが出た。

「ミス・パーフェスト」の異名通り、練習ではしっかりと回転しているジャンプを跳んでいるというが、試合では回転不足を取られないジャンプを意識するあまり、どうしても緊張して縮こまってしまい、回転不足になってしまうというのだ。

 シーズン前半戦を戦い終えた宮原は苦しい胸の内をこう語っている。

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