次のステップへ。羽生結弦が語る300点超えの優勝よりも重要なもの (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 まずは4回転ループを完成させなければ始まらないという段階から、次のステップへと進めることができた。だからこそ、この大会で4回転ループを決めなければいけないと羽生は考えたのだろう。そのため、彼自身「4回転ループを跳ぶためにスピード的にはかなり飛ばしていった」という演技の入りになったのだ。

 ループを決めた後は4回転サルコウもGOE加点2・29点をもらう出来で、コンビネーションスピンはスピード感のある回転だったが、続くステップはややスピードが勝ってしまう滑りで評価はレベル3に。後半に入ると最初の4回転サルコウで転倒し、その後もトリプルアクセルからの3連続ジャンプでサードのサルコウが2回転になるミスが出て、プログラム全体の流れが少し途切れてしまうような演技になってしまった。

 それでもフリーで197・58点を獲得。トータルは昨年のグランプリファイナル以来の300点超えとなる301・47点で、2位のネイサン・チェン(アメリカ)に30点以上の大差をつける圧勝となった。

「去年300点台を出したときは320点とか330点でその時と比べると301点は低いですが、ショート、フリーともにミスが出たなかでの300点超えですから。今日はスケートをやっていてすごく楽しかった」

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