NHK杯SP首位発進も、羽生結弦が感じた「シュッ」の微妙なズレ

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 11月25日のNHK杯男子ショートプログラム(SP)。羽生結弦は最初の4回転ループを完全に回りきりながら、着氷で重心が後ろにかかり過ぎてステップアウトになってしまった。だが、その後の4回転サルコウ+3回転トーループを決めて勢いに乗ると、後半のトリプルアクセルはGOE(出来ばえ点)加点が満点の3点。スピンとステップもレベル4を取って103・89点を獲得し、文句なしの首位となった。
NHK杯SPでトップに立った羽生結弦NHK杯SPでトップに立った羽生結弦 今シーズン3試合目にして初めて実現した勢いをつけられる演技に、羽生は笑顔だった。

「やっとプログラムらしくなってきたという感覚があります。ただ、このプログラムに関しては、もっといろんな意味を込められると思っています。まだ勢いだけの10代のスケートみたいになっているので、それだけではなく、環境とか歌詞の奥の方にあるものを、ジャンプを含めて追求していけたらいいと思います」

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