自然体の羽生結弦。NHK杯で「世界最高得点を出す準備はできています」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 その後はブライアン・オーサーコーチとじっくりと話し合い、コリオシークエンスから3回転ルッツにつなぐ滑りをもう一度確認。最後はショートプログラム(SP)冒頭の4回転ループの入りの練習を始め、確認するように4回転ループを跳び、最後はパンクして3回転になったことで、苦笑いを浮かべてジャンプの練習を終了した。

今年もNHK杯で世界最高得点更新がなるか注目の羽生結弦今年もNHK杯で世界最高得点更新がなるか注目の羽生結弦 4回転ループに関しては、成功と失敗が半々という状態だ。それでも羽生の表情は昨年のような気迫を前面に押し出すものではなく、余裕さえ感じさせるものだった。「新しいものに挑戦しなくてはいけない」という昨年とは違い、「今やろうとしているものを、より完璧にやるだけ」という心境なのだろう。

 練習後の記者会見では、「昨年と同じような世界最高得点を出す準備ができているか?」という質問に、「できていると思います」ときっぱり言ってこう続けた。

「僕自身、去年と同じ演技をするわけではないですし、同じ曲でもなくて、会場も違います。スケートカナダ2位からこの大会までの流れは同じかもしれないですが、僕自身は今できる演技を、今の自分の最高の演技を目指してしっかりやっていきたいと思います」

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