鈴木明子が感じた羽生結弦の変化。「4回転アクセルをやるかも」 (2ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • 能登直、是枝右恭●撮影 photo by Noto Sunao, Koreeda Ukyo

―― 昨シーズン、史上初の330点台をマークした羽生選手はグランプリファイナルを制したものの、世界選手権では2年連続でフェルナンデス選手に敗れました。彼はどんな気持ちで今シーズンに臨んでいるのでしょうか。

鈴木 宇野選手が4回転フリップを跳び、ボーヤン・ジン選手(中国)が4回転ルッツを成功させています。フェルナンデス選手に負けていることもあり、負けず嫌いの羽生選手が燃えていないはずはありません。

―― 羽生選手は昨シーズン、圧倒的な強さを見せましたが、すべての大会で勝ったわけではありません。

鈴木 突き放しても、突き放しても、フェルナンデス選手も宇野選手もボーヤン・ジン選手もついてきています。次のオリンピックで連覇を狙うことを考えれば、この状況は彼にとって歓迎すべきものでしょう。高いレベルで切磋琢磨することで自分も成長することは本人が一番よくわかっています。

―― そんななかで、羽生選手に何か変化はありますか。

鈴木 これまではプログラムの最初から最後まで全力で臨むという印象でしたが、昨シーズンから体力のコントロールがうまくなったように感じています。情熱的な熱いところと冷静なところとのバランスがいい。これは20歳を超えて、身につけた部分。平昌オリンピックまでに「羽生結弦」を完成させるつもりでしょうから、これからの15ヵ月、彼のさらなる進化から目が離せません。おそらく羽生選手は、すべての試合で他の選手を圧倒して勝ちたいと考えているはず。そのために、4回転アクセルもやるんじゃないかとさえ思います。

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