冷静沈着。羽生結弦がスケートカナダ前日に語った現在のコンディション (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 昨年のスケートカナダの反省もあるのだろう。昨年は、オータムクラシックで納得できない演技をしたあと、後半の4回転への過剰な意識を克服するために大会前にきつい練習をして出場した。その成果が出て、ショートプログラム(SP)前日の公式練習ではフリーの曲かけで試みたジャンプをすべてきれいに跳べるほどのいい仕上がりを見せていた。

 だが、翌日のSPではその気負いが空回り。後半の4回転トーループがパンクで2回転になり、続く3回転ルッツからの連続ジャンプでも着氷の乱れで混乱したのか、とっさに2回転トーループを付けてしまい、その2要素が0点となって7位発進という予想外の結果だった。

「今回が去年と違うのは、会場がトロントの隣で(練習拠点の)クリケットクラブから非常に近いところで試合ができること。去年のように飛行機移動の疲れもないですから。そういう自分に有利な条件というか環境を、有意義に考えたいと思っています」

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