宇野昌磨のスケートアメリカ優勝が物語る「男子4回転時代」の戦い方 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「昨季とは違い、今季は練習通りの動きが試合で出るようになりました。自分の実力を出し切って、初めてシニアで1位になれたことは久々で嬉しかったです。昨季の経験だったり、悔しい思いだったり、1年前のすべてがいまの自分に繋がっていると感じています。自分の実力を100%出し切れば優勝争いができると思っていましたし、自分の実力を出し切って優勝できたので、あらためて昨季からの成長を実感しましたし、昨季の失敗が無駄ではなかったと思いました」

 今大会で宇野は、SPとフリーでそれぞれ転倒を1回ずつしているが、いずれも4回転ではなかった。計5本跳んだ4回転だけをみればすべて成功させており、出場10人中ただ1人、予定していた大技を成功につなげた。

 フリーでは技術点で100点台をコンスタントに出せるようになり、演技構成点においてもSPでは演技派のジェイソン・ブラウン(アメリカ)に次ぐ2番目。フリーではそのブラウンを抑えてトップの91.08点をマークした。フリーでは終盤の3連続ジャンプの1つ目となるトリプルアクセルで転倒するミスがあり、史上4人目となる200点超えはお預けとなったが、200点台に迫る勢いであることは間違いないだろう。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る