宇野昌磨のスケートアメリカ優勝が物語る
「男子4回転時代」の戦い方

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

自己ベストを更新する合計279.34点でスケートアメリカを制した宇野昌磨自己ベストを更新する合計279.34点でスケートアメリカを制した宇野昌磨 本格的な4回転時代に突入した男子シングルで、どんな戦いをすればメダル争いに加わることができるのか。今季GP初戦のスケートアメリカは、それに対してひとつの答えが出た大会となった。

 世界で初めて4回転フリップを成功させ、ギネス記録の認定を受けた宇野昌磨は、今季からフリップとトーループの2種類の4回転ジャンプをSPとフリーに組み込むことができるようになり、SPで2本、フリーで3本の計5本の4回転ジャンプを跳ぶ構成にした。

 高難度のジャンプ構成ではあるが、すでに昨季の世界選手権のメダリストたちは成功させており、さらにフリーでは4回転を4本跳ぶ構成で戦いに挑んでくる選手もいる。

 今回、大会開幕よりも10日も早く現地入りした宇野は、時差調整にしっかり取り組み、万全のコンディションを整えてシニア2年目のGP初戦に臨んだ。「早く試合がしたい」と待ち望んだ本番では、SPで4回転フリップと4回転トーループに成功。フリーでも4回転フリップと4回転トーループ、4回転トーループ+2回転トーループの連続ジャンプを、いずれも1点以上のGOE加点がつく完成度の高さで跳んだ。演技も滑るごとに一皮も二皮もむけて、成熟度が増してきているようだ。

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