憧れの浅田真央より上位に。三原舞依がシニアGP初挑戦で3位の快挙 (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 フリーでも緊張はみじんも感じさせず、序盤から勢いがあった。しかし、プログラム中盤に予定していた2回転アクセル+3回転トーループで、2つ目のトーループが2回転になった後、スピードががくっと落ちてジャンプのミスを重ねてしまう。

「失うものは何もないという気持ちで臨んだんですけど、練習でできていたことを試合本番で出せなかったのは、気持ちのコントロールがまだまだ不足していると感じました。いつもノーミスの演技をすることが目標だったのに、失敗して悔しい」

 そう反省を口にして、「いまの自分にはトップ選手が持っているメンタルの強さがないということも痛感した」とも語った。

 それでもフリーで123.53点の自己ベストを出し、合計189.28点の自己最高得点をマーク。初のシニアGP大会で総合3位に食い込んだのは自信につながる結果だった。

 三原は昨年12月のジュニアGPファイナル出場の頃から体調に異変があり、診断の結果は「若年性突発性関節炎」。関節が痛む難病で、ファイナルから帰国すると入院を余儀なくされ、歩くこともできずに車いすで移動していたほどだ。約4カ月間、氷から離れざるを得ず、治療とリハビリをしながら、今季、再びリンクに戻ってきた。現在も月1回、病院で注射を打つなど、病気と闘いながらの競技生活を続けている。そんな困難さを表に出さない強さが彼女にあるのは、「フィギュアスケートが楽しくて大好きなスポーツ」だからだろう。

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