4回転フリップ成功の宇野昌磨。過酷な特訓で「次のステップ」も狙う (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn YinhaPhoto by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 2つ目の4回転トーループでは転倒してしまったが、その後に跳んだすべてのジャンプでGOE加点がつく質の高さを見せつけた。技術点で109.55点をマークするなど、非公認ながら自己ベストを上回る198.55点を叩き出して、世界王者ハビエル・フェルナンデスに6.35点差をつけて男子トップに立った。

「練習よりも悪かったわけでも練習以上でもなかった出来でした。4回転トーループの失敗はありましたが、ちゃんと回った転倒だったので今後につながるミスです。4回転フリップはいいジャンプができて成功することができました。曲の最後までジャンプがきれいに跳べたことはよかったですが、プログラム後半のつなぎがジャンプ、ジャンプだけになってしまい、つなぎの表現力が少なかったと感じました。ジャンプができてきたので、次のステップに入っていきたいです」

 今夏は米国シカゴで約2週間の強化合宿を行ない、自分の限界の幅を広げる練習に取り組んできた。体力をつけるとともに、ジャンプ強化の一環として4回転トーループだけでフリープログラムの通し練習を繰り返した。過酷なトレーニングを耐え抜いて心身ともにレベルアップを図ったことが、実戦での成果に繋がっていることが分かる戦いぶりだ。

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