羽生結弦、不満が残った初戦に「こういう状況は一番楽しいです」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 つまり、ステップや滑りに意識を向け過ぎてしまい、無酸素運動になってしまったのがスタミナのロスにつながったのではないか、ということだ。

 さらに、ジャンプもほとんどが少し詰まった感じになってしまい、着氷後の流れをうまく作れなかったことで、余計に力を使ってしまった部分もあるだろう。その辺りを見直して、もっと効率のいい跳び方をしていけば、「ここまでのスタミナのロスにはならないと考えています」と羽生は言う。

「4回転を4本入れるプログラムはやっぱりしんどいですね。でもしんどいからこそ楽しいし、何か燃えますね。日本ではジャパンオープンで宇野(昌磨)選手が(フリーで)198・55点を取っていたし、ハビエル(・フェルナンデス)も素晴らしい出来でした。その中で自分がこのような演技をしたのは不甲斐ないなと思います。

 でも、その不甲斐ないという気持ちは、本当はマイナスなんだろうけど、今はぜんぜんマイナスだとは思えなくて、むしろ、早く練習して次に(試合に)出た時にはひと皮とはいわず、10でも20でも皮がむけたようになって、『こういう羽生結弦を待っていた』と言われるように練習をしていく。それが、今はすごく楽しみなんです」

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