浅田真央が本格始動。濃密な新プログラムから見えた今季の志向 (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 また、今回のショーでは最後を飾る演目だった『ボレロ』では、凜として艶のある演技を見せた。2年前に見た『ボレロ』とは違う雰囲気を醸し出しており、ベテランスケーターとなった25歳の浅田の成長ぶりを大いに感じることができた。

 競技会で演技するSPとフリーのプログラムはまだお披露目されていないが、どちらも同じ曲『リチュアル・ダンス』を使う。新プログラムについて浅田は「2つで1つの作品で、滑ったことがない曲」と言う。チャレンジングで意欲的な内容になりそうだ。

 浅田の今季初戦は、初めて出場する国際B級大会のフィンランディア杯となる。昨季はシーズン中に失速したこともあり、今季は初戦から真剣勝負の試合に出場することになったようだ。

「出ることによってポイントがもらえるし、ショートとフリーの両方があるので、いいシミュレーションができるんじゃないかなと思います。

『THE ICE』が(私にとっての)シーズンのスタートということで、名古屋公演ではショートを滑らせていただきます。フリーのほうはまだ準備が整っていないので滑りませんが、まずはショートをお披露目できればいいなと思っています。そこでまた何かいろいろ課題が見つかれば、シーズンに向けてそこをクリアにして臨みたいなと思います。

 ショートとフリーは試合に向けて毎日(滑り込みを)やっているので、この『THE ICE』が終わったらすぐに滑れるようにしています。(プログラムの仕上り具合は)いつもと同じような感じには来ています」

 そう語る彼女は気力に満ちあふれているように見えた。平昌五輪を見据えた重要なシーズン、視界は良好だ。



3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る