「平昌を目指す」浅田真央。来季、そして五輪メダルへの可能性は? (4ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 それに、ジャンプの技術が世界的に高くなっているので、私もジャンプの技術をもっともっと高くなっていかないといけないんだなと思いました。(復帰シーズンを戦って)私自身も強く、もっともっと進化したいと思えたので、まずは1年1年進化していけるように、その先に平昌五輪という舞台が待っていてくれたらうれしいなと思います」

 浅田が進化するためには、本人が語るようにジャンプ技術を高めなければならないことは確かだ。では、まず何から取り組めばいいのか。優先順位の1番目は、やはり浅田の代名詞であり最大の武器でもあるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をさらに磨きをかけて安定感のあるジャンプにすることだろう。

 それが決して不可能なことでないのは、今季を見ていても分かった。休養の前後のトリプルアクセルを比べると、ジャンプの質がまったく違っており、キレのある軽やかなジャンプに変貌を遂げていたからだ。浅田にとってトリプルアクセルはもはや特別なジャンプでもなく、跳ばなければいけないジャンプでもない。そんな固定概念を払拭したことで、気持ちに余裕が生まれ、力みのないジャンプに生まれ変わったのだという。

 先日の世界選手権で予定していた演技構成の基礎点を合計すると、浅田はショートプログラム(SP)で34.51点、フリーでは68.80点となる。同様にSP3位、フリー1位で世界選手権を初制覇したメドベデワの基礎点を計算すると、SPが33.10点、フリーは62.33点といずれも浅田よりも低い点数になる。もちろん、実際は予定通りのジャンプ構成を完璧に跳べずに基礎点が削られ、さらにGOE(出来栄え点)の加減によって得点が決まるわけだが、基礎点だけをみれば浅田の底力はまだまだ侮れないということになるのではないだろうか。

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