世界選手権、まさかの2位。羽生結弦が語った悔しさと敗因

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi  能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 世界フギュアスケート選手権男子。ショートプログラム(SP)で110・56点を出してトップに立ち、2年ぶり2度目の優勝は確実だと思えていた羽生結弦。だが、4月1日のフリーで彼を待っていたのは、意外な結果だった。

世界選手権で2年連続2位の羽生結弦。優勝はハビエル・フェルナンデス世界選手権で2年連続2位の羽生結弦。優勝はハビエル・フェルナンデス

 ANAスケート部の城田憲子監督が「恐る恐る」と表現したように、演技の出だしは慎重に入った。だが、直前の6分間練習でしっかり降りたあと、再度確認するようにもう一度跳んでいた冒頭の4回転サルコウは、着氷をしっかり決められず手をつくミス。

 その後の4回転トーループと3回転フリップは確実に決め、ステップシークエンスはレベル4を獲得したものも、いつものような気迫が全身から滲み出てくる滑りではなかった。そして、後半に入ってすぐの4回転サルコウは軸が斜めになって転倒してしまうと、その後も3連続ジャンプでは、ふたつ目のトリプルアクセルで着氷が乱れ、3番目につけるサルコウを3回転から2回転にするのが精一杯。さらに、最後のジャンプの3回転ルッツでも着氷を乱して手をつくなど、ミスを連発した。

 最後は疲労も見え、スピードがガクッと落ちる演技。万全な調整をしてきていたはずの羽生にとって、予想外ともいえる展開だった。

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