浅田真央は9位発進。女子日本勢がフリーで挽回するために必要なこと (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 宮原は反省点をこう口にした。

「自分が思っていたよりも落ち着いてできたし、いつもの試合と同じ緊張感でした。悪くはなかったんですけど、ジャンプを跳ぶときに緊張したかな。また、演技全体的にはしっかりできたと思いますけど、もう少し思い切っていけたらよかったかなと」

 勢いと細かいミスの差が、ジャンプ構成が同じ首位ゴールドと宮原の勝負の明暗を分けた格好となり、SP6位発進となった。

 それでも、自己ベストよりも1.76点及ばないだけの合計70.72点をマークした得点については「70点を超えることを目標にして、とりあえず70点台の得点を出しましたけど、改善点が少しはあったかな」と、コンスタントに70点以上を狙える手応えをつかんだに違いない。

 フリーは「見ている方たちが引き込まれるような演技ができたらいい」と語る宮原。彼女らしいパーフェクトな演技を決めることができれば、メダル圏外からの2年連続メダル獲得に前進するだろう。

 浅田については、やはり代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の成否が、プログラム全体の出来不出来に大きく影響していた。調子のバロメーターであるトリプルアクセルが完璧に決まれば、その勢いに乗って、質の高い演技がさらに見栄えするが、最初のジャンプである大技で少しでも失敗があると、それによってプログラム全体にほころびが生じてしまうようだ。

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