「ビビらずに跳べば大丈夫」。本田真凜、世界ジュニア優勝の勝負度胸 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 また、競技の途中で3位以上の表彰台が確定すると「1位以外の2位と3位だったらどっちでもいいです」と話していたが、自身の優勝が決まると「びっくりです!」と満面の笑み。演技の感想について聞かれると「今日は3秒で終わってしまったような感じです」と言って記者たちを笑わせた。

「(12月中旬のジュニアグランプリ)ファイナルの後は普段どおりの練習でしたけど、(12月末の)全日本選手権で自分より上位の人がいたのに世界ジュニアに選んでもらえたので、それからは『他の人たちの分も頑張ろう』と思って、練習を頑張ることができました。これからも、もうちょっと努力しようと思います」と話し、さらに上を目指す意欲を見せた本田。日本勢では村上佳菜子以来6年ぶり7人目の爽やかな新女王が誕生した。

SP5位からの逆転を狙った樋口新葉SP5位からの逆転を狙った樋口新葉 そして、本田以外の日本勢もフリーで意地を見せた。

 樋口は、SPでルッツ+トーループの3回転連続ジャンプで転倒するという想定外のミスが出て、5位発進となっていたが、「昨日の時点で表彰台はもう無理だと思ったので、フリーではずっと練習してきたもの、『これまでやってきた』ことをお客さんに見せようと思った」と、こちらも気持ちの切り替えができていた。

「今シーズン、ずっと練習をしてきたルッツ+ループの3回転連続ジャンプを成功させたかったから、慎重になった」と言う樋口は、出だしの滑りで持ち前のスピードがなく、ルッツ+ループは着氷のタイミングが狂ってセカンドジャンプをつけられなった。だが、最後のダブルアクセルの後に3回転トーループをつけてカバーし、苦手なフリップで注意マークをつけられただけのほぼ完璧な演技。フリー自己最高の125・65点を獲得した。

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