四大陸選手権4位。宇野昌磨が見つめ直した自身の課題 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「4回転トーループ以外はショートよりも満足しています。僕はジャンプの失敗より表現の点数が出ない方が落ち込みそうになりますけど、そこは高い点数が出たのでよかったかなと思います。ただ、完璧ではないとやっぱりモヤモヤ感が残りますね......」

 SPでは自己ベストの92・99点を出したとはいえ、グランプリファイナルの時と比べても、演技構成点は0・41点高いだけの42・93点と、思ったより伸びていなかった。「演技表現がそれほど評価されていなかった」と感じた宇野自身、フリーでは"表現"を強く意識したという。だからこそ、演技中は自分が何を意識しているかもわかっていた。だが、そこまで冷静だったということは、「集中しきれていなかったということかもしれない」とも感じたという。

 その後、久しぶりにキレのある演技を見せて復活をアピールしていたハン・ヤン(中国)がノーミスの演技で宇野を上回り、宇野の初優勝はなくなった。結局、宇野は無良崇人には合計1・34点差で上回ったものの、ボーヤン・ジンには20点を超える差をつけられてしまった。ボーヤンは3種類4回の4回転ジャンプをクリーンに決めて、自己ベストを記録した。

 圧巻だったのは、最終滑走のパトリック・チャン(カナダ)の演技。SPはトップと12・23点差の5位と、優勝争いから脱落したかに思われていたが、冒頭の4回転トーループ+3回転トーループと、次のトリプルアクセルをともにGOE(出来ばえ点)で2・43点をもらう完璧なジャンプ。

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