宇野昌磨が四大陸選手権で逆転優勝するためには何が必要か? (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 3位は、終盤のシットスピンが0点になりながらも、キレのある演技で89・57点を記録したハン・ヤン(中国)。2014年のこの大会で優勝している無良崇人は、後半の3回転ルッツからの連続ジャンプで回転不足となったが、ミスをそれだけに抑えて89・08点で4位。上位は接戦となった。

 宇野は、演技構成点でも全体の2番目。序盤のジャンプの失敗でSP5位にとどまったパトリック・チャン(カナダ)に次ぐ42・93点を獲得した。ただし、宇野に5・46点差を付けてトップに立ったボーヤン・ジンも、これまでより表現面を改善してきており、演技構成点で宇野に2・89点差と迫ってきている。

 そんなライバルたちを抑えて、宇野がシニア初のISU選手権大会のタイトルを獲得するためには、最低でも「練習どおりの滑りができた」と冷静な表情で話したグランプリファイナルと同じように、フリーで190点台の得点を獲得することが必要だ。そのうえで合計を自己最高の280点台にすることが、初優勝への第一条件になる。

「満足し切ってはいないですけど、ショートは割といい演技ができたと思います。自己最高得点でホッとしたという気持ちはありますけど、ショートでこのくらいの演技をするとフリーがよくないということが多い。だから、今はもうショートのことは完全に忘れて、フリーだけに集中していきたいと思っています。逆に4回転トーループが完璧ではなかったことで課題が残ったので、かえってよかったと、プラスに考えたいです」

 こう話した宇野が、フリーでどんな演技を見せてくれるのか注目だ。


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