宇野昌磨が四大陸選手権で逆転優勝するためには何が必要か? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「日本にいるときより4回転の調子はよくなかったです。でも、公式練習や6分間練習では確率を求めてやっているのではないので、とりあえず試合で跳べればいいというのが僕の考えです。今の体の調子や氷の状態などを考え、『今はこういう跳び方の方が合っている』というのを探りながら(直前の練習を)やっています。今回は結局、思い切り跳ぼうという大雑把な結論になってしまいましたけど」

 結果的にミスが出てしまったのは、確実に跳びたいと意識し過ぎたからだろう。宇野自身、「いつも後悔をするので、それがないように力を入れ過ぎたという感じでした」と明るく笑う。

 宇野は冒頭の4回転トーループ後のスピンから、自信にあふれた演技を取り戻した。

「すごく調子がよかったので、練習どおりに跳べてよかった」というトリプルアクセルはGOE(出来ばえ点)で2・57点をもらう出来。次の3回転フリップからの連続ジャンプも余裕を持って跳ぶと、SPの見せ場にもなっているステップシークエンスを情熱的に滑りきり、国際大会初の90点台となる92・99点を獲得した。

 宇野はこの時点でトップに立ったが、宇野の3人後に滑ったボーヤン・ジン(中国)が4回転ルッツ+3回転トーループ、トリプルアクセルと4回転トーループをきれいに決め、スピンとステップもすべてレベル4にする完璧な滑りを披露。98・45点を獲得してトップに立ち、宇野は2位となった。

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