フリーで挽回、さらに一歩先へ。浅田真央が全日本で得た小さな手応え (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「演技が終わった瞬間、全日本が終わったんだなと思いました。今シーズンの中では一番いいフリーができたので、課題はまだありますけど、今できることはできたかなと思います。冒頭のミスはあったんですけど、他の部分では自分ができる精一杯のジャンプだけでなく、滑りの部分でもできたと思うので、ひとつずつですけど成長したかなと思います」

 プログラム『蝶々夫人』の冒頭に跳んだ、調子のバロメーターでもあるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒。決して悪いジャンプではなかったが、踏ん張れなかった。その直後に予定していた3フリップの連続ジャンプは単発になった上にオーバーターンのミスがあった。見せ場のステップでもあまり覇気がないように見えたが、全体的にはまずまずの出来で演技をまとめたと言っていいだろう。本人も悪いなりにも手応えを感じていた。

「今日の朝の練習から気持ちの持っていき方が変わったかなと思いました。ミスはあったんですけど、ああ、こういう気持ちの持ち方でいけば身体がすぐに動くんだなという感じがあったので、全日本の経験として次に繋がるかなと思いますね。自分の弱いところというか、マイナスのところは気持ちが抜けてしまうところだと思う。それを今回、先生(佐藤信夫コーチ)と話して感じて、今日の朝から意識してやっていて自分の中で手応えがあったので、この経験を忘れないようにしていきたいです」

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