新旧女王の明暗。自信見せる宮原知子に、浅田真央は巻き返せるか (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「今大会は70点を超えることを目標にしていたので、それが超えられてほっとしてます。でも、まだSPが終わっただけなので、フリーも頑張りたい。前回の優勝は試合本番でも練習でも頭にはなかった。とりあえず、自分が練習で取り組んできたことをしっかり出そうと思っただけでした」

「ポスト浅田真央」と言われた昨季、全日本女王にはなったが、追い抜くべき存在は同じ土俵にはいなかった。だからこそ、復帰してきた浅田との勝負を制して、2連覇を飾ることが今後さらに宮原がひと皮むけるには必要不可欠なのではないだろうか。

 高難度のジャンプ構成に取り組んで勢いづくジュニア勢の参戦など、今大会はハイレベルな戦いになっているが、17歳の新エースは「ジュニアがすごいのは昨年も同じ。人のことを考えるよりも自分に集中して、できることをしっかり意識して滑りました」と言う。自分の演技に徹しさえすれば結果はついてくるという手応えがあるのだろう。

 フリーについては「自分の世界観を作り出して、会場全体を自分の世界にできるようにしたい。今年最後の大会なので、2015年を気持ちよく終わるためにも、フリーでも納得いく演技をして、来年の世界選手権(3月・ボストン)や四大陸選手権(2月・台北)でしっかり演技したい」。表彰台の真ん中に立ち、次の大舞台に出る気満々だった。

 宮原の連覇が達成されれば、2012年に2度目の2連覇を成し遂げた浅田以来、14人目(15度目)の快挙となる。

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