新旧女王の明暗。自信見せる宮原知子に、浅田真央は巻き返せるか

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 全日本フィギュアスケート選手権女子シングルの注目のひとつは、新旧全日本女王対決だ。昨季全日本を初制覇した宮原知子と、昨季休養に入る前に全日本女王として君臨していた浅田真央との勝負が実現した。2シーズン前まで浅田が宮原の後塵を拝することはなかったが、今季はすでにNHK杯とGPファイナルの2大会で、宮原が大先輩の浅田を抑えて順位で上回っている。そして全日本でも、26日のショートプログラム(SP)で大きく明暗を分けた。

全日本選手権、SPでは5位にとどまった浅田真央全日本選手権、SPでは5位にとどまった浅田真央 大会2連覇を目指す宮原は、今季のGPシリーズ最終第6戦のNHK杯でGP初優勝を飾ると、初出場となったGPファイナルでは銀メダルを獲得。シーズンが進むにつれて上り調子だ。この日のSPでも、最終グループの最終滑走者として自信に満ちあふれた表情でリンクに立ち、ほぼノーミスの演技を見せて首位発進した。

 情熱的なフラメンコ『ファイヤーダンス』に乗って魂を込めたステップで観客を魅了し、力強いキレのあるジャンプ、ポジションの美しいスピンでGOE(出来栄え点)の加点を稼いだ。ただ一人、70点台の73.24点をマークして、自身が立てた目標をクリアして満足顔だった。


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