鈴木明子さんが解説。浅田真央とライバルたちの全日本フィギュア (4ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

――浅田選手の復帰、若手選手の台頭に隠れていますが、村上佳菜子選手の動向も気になります。

鈴木 そうです。もうひとり忘れてはいけないのが、ソチ五輪日本代表の村上選手です。キャリアは十分ですが、1994年11月生まれの21歳です。まだまだ「伸びしろ」はあります。現在、トップ選手としての重圧を感じる一方で、若い世代から突き上げを食らうという難しいところにいます。

 浅田選手が休養し、私が引退したことで、昨シーズンはかなり気負っていたように思えました。「私がやらなきゃ」と気張っていましたが、肩肘張った感じは彼女には似合いません。不本意な成績が続いているので、「このままでは終われない」と思っているはずです。村上選手が苦しんだのは、回転不足とルッツのエッジエラー。ルッツをプログラムに組み込めないと難易度を上げることが難しくなるので、そこが課題。もともと表現力はあるので、自分のキャラクターに合うプログラムができれば上位を狙えるはずです。

鈴木明子(すずき あきこ)プロフィール
1985年、愛知県豊橋市生まれ。6歳からスケートを始め、15歳で全日本選手権4位に入賞し注目を集める。10代後半に体調を崩し大会に出られない時期もあったが、2004年に復帰。10年バンクーバーオリンピック代表の座を獲得し、8位に入賞した。12年世界選手権銅メダル。13年の全日本選手権では、会心の演技で13回目の出場にして初優勝。14年ソチオリンピックでは、同大会から正式種目となった団体戦に日本のキャプテンとして出場し5位入賞、個人戦では8位入賞を果たす。14年の世界選手権出場を最後に、競技生活からの現役引退を発表した。引退後はプロフィギュアスケーター、振付師、解説者として活動の幅をさらに広げている。2015年12月、選手たちの心理戦から演技の舞台裏を描いた『プロのフィギュア観戦術』(PHP新書)を上梓した。


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