髙橋大輔のサポート経験が
サニブラウンへの「食」指導に生きている

  • 川喜田研●構成 text by Kawakita Ken

 試合に向けてアドレナリンが出るような明るい気分を演出したり、練習の疲れやプレッシャーを背負った選手の気持ちをリラックスさせる力だって「食べ物」にはある。ですから、栄養だけではなく、日々の食事のバリエーションや色、味覚、食感、香りなど、状況に応じてアスリートの五感を刺激してあげることも、また、食の持つ可能性だと考えています。

 最近は陸上のサニブラウン・アブデル・ハキーム選手など、ハーフの選手の指導をする機会も増えたのですが、彼のように日本生まれ、日本育ちの選手でも、単に家庭の食習慣の違いだけでなく、それぞれの選手の個性や体質に合った食事指導のやり方があることを学んでいます。

 食というのは、活動のためのエネルギー源でもあり、カラダを作る材料でもあると同時に、選手の「日常」そのものの演出でもある。そう考えると、まだまだ「食」にできることはたくさんあると思っています。

プロフィール
石川三知(いしかわみち)
Office LAC-U 代表。
< 指導歴 >
団体・チーム:全日本男子バレーボールチーム、新体操日本代表フェアリージャパン、陸上男子短距離日本代表チーム、トライアスロンナショナルチーム、デンソーボート部(女子)、専修大学アメリカンフットボール部、中央大学水泳部、東海大学陸上部短距離ブロック
個人:髙橋大輔選手、荒川静香選手(ともにフィギュアスケート)、岡崎朋美選手(スピードスケート)、萩原智子選手(競泳)、末続慎吾選手(陸上)ほか
現在は、競泳(渡部香生子選手・瀬戸大也選手)、陸上(都留文科大学・日本陸連ダイヤモンドアスリート)、ラグビー(東海大仰星高校)など多くのトップアスリートの栄養指導を担当している。http://www.lac-u.com/

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