髙橋大輔らトップ選手を支えた栄養士が語る「秋冬のアスリート食」

  • 川喜田研●構成 text by Kawakita Ken

 時々、体脂肪が少なく痩せていると体が冷えやすいと勘違いしている人がいるのですが、冷えを防ぐにはインナーマッスルだけではなく、大きな筋肉(殿筋・ハムストリング・大腿四頭筋)もしっかりと付けることが効果的です。

 たとえば、フィギュアスケートの髙橋大輔選手は一時期、体脂肪率が「測定不能」なほど低かったのですが、彼の場合は筋肉量がしっかりあったので、比較的冷えには強かったですね。

■選手の免疫力をアップしてくれる食べ物とは?

 免疫力を高めるという意味ではビタミンCも大切です。みかんや柿などの果物もいいですし、大根やじゃがいもなど、ビタミンCを多く含んだ根菜類は葉物などに比べてカラダが冷えないのでお勧めです。さきほど、体内に入り込んだ菌やウイルスと戦う白血球を作るのがタンパク質だという話をしましたが、ビタミンCはその白血球の動きを活性化してくれる栄養素です。

 それから、秋の味覚のキノコ類もいいですね。キノコは低カロリーですが、免疫力を高めるグルカンを多く含み、ビタミンB群や食物繊維も豊富です。ちなみに、ビタミンB群は食べたタンパク質や、炭水化物を代謝してくれる栄養素。食物繊維の豊富なキノコ類と、腸内の善玉菌を増やしてくれる発酵食品を積極的に食べることで、腸の状態の健康に保つことで免疫力を高めてくれます!

(つづく)

プロフィール
石川三知(いしかわみち)Office LAC-U 代表。
< 指導歴 >
団体・チーム:全日本男子バレーボールチーム、新体操日本代表フェアリージャパン、陸上男子短距離日本代表チーム、トライアスロンナショナルチーム、デンソーボート部(女子)、専修大学アメリカンフットボール部、中央大学水泳部、東海大学陸上部短距離ブロック
個人:髙橋大輔選手、荒川静香選手(ともにフィギュアスケート)、岡崎朋美選手(スピードスケート)、萩原智子選手(競泳)、末続慎吾選手(陸上)ほか
現在は、競泳(渡部香生子選手・瀬戸大也選手)、陸上(都留文科大学・日本陸連ダイヤモンドアスリート)、ラグビー(東海大仰星高校)など多くのトップアスリートの栄養指導を担当している。http://www.lac-u.com/

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