小塚崇彦が語るフィギュア界の登竜門。「遊びすぎてへばる合宿でした」 (4ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

――野辺山合宿での一番の思い出は何ですか?

「これを言っていいのかどうかわからないですけど、網戸にジャムを塗って虫をつかまえようと思って怒られたことですかね」

――当時の小塚選手はどんな子だったんでしょうか?

「結構やんちゃでしたよね。とにかく楽しいことが好きでした」

――夏合宿イコール「つらい」というイメージが一般的ですが、野辺山合宿はどうだったですか?

「高地での合宿でしたが、子どもでしたので、きついということもなく、逆に遊んでいて寝ていないから、練習で集中する必要はありましたね。それに何といっても友達と会えるのが楽しかった。その中でお互いにどういう状況か探り合いながら練習したり、コーチとは違う他の先生に見てもらったりする機会があって、いろいろなことが経験として自分の中に入ってくる場でした」

――フィギュアスケート選手にとっては世界の扉を開く登竜門的な合宿でもありますね。

「野辺山合宿で選ばれればシードをもらえて海外の試合にも行けるし、そこである程度目を付けてもらえれば、その後の試合も有利に働くのではないかと思います。全てが全て、そこで決まるわけではないですけど、合宿をしていろいろな経験を積みながら、かつ自分のスケートを知ってもらう場としてはいいと思いますね。全国に散らばっているスケーターたちが一堂に会して集団で取り組むことは、個人競技のスケートだからこそ大事なことだと思います」

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